始動

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目が覚めるといつもと変わらない空が広がっていた。 言いようによっては普通の朝…。 しかし何かが違う…はずなのだ。 なぜなら昨日の事件があったから。 いや、あれを事件と呼んでよいのかは分からない。 皆が何か見えないものから逃げ惑っていた。 何かは思い出せない…。 本当に何も無かったようにすら思えるが…、 ただ…友人が多く自分の前から消えたことだけは覚えている。 死んだ…というよりも消えたのだ、 ふいに目を瞑ったその瞬間…、 多くの友人はそこからいなくなっていた…。 昨日何が起こったか…。 もうそんなことはどうでもいい…。 俺が知りたいのは、今世界がどう動いているかといることだ。 もしかしたら、世界には俺以外に人はいないのかもしれない…。 そう考えるとぞっとするが…、 いつまでも家の中にいるわけにはいかないだろう…。 ちょうど冷蔵庫の中身はなくなっていたのだ…。 このままじゃ餓死確実だもんな…。 俺は重い腰を上げる覚悟をした。   外はいつもと変わらない青空である。
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