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夏侯惇殿は私の肩に手を置いた。
「今ここにいる者たちは…お前への心残りが大きかった者たちだ。それと…お前自身が俺たちに対しての気持ちが強かった者たちでもある」
「私が…強く…想った方々…」
「あぁ。だから俺たちはここでお前を待っていた」
…真っ白いこの死の世界で…
私だけを待っててくれた…
私は、なんと幸せ者だったのだろう。
こんなにも心通わせた仲間がいた。
武器を手に立ち上がったことは……間違っていなかったのかもしれない…
「さて、と…そろそろ行くぞ!」
「えっ?呂布殿…行くって…何処へ?」
「これから俺たちゃ転生しに行くんだよ」
「そうだ。俺たちは…一緒に転生する為にお前を待っていた。さぁ…行くぞ」
夏侯惇殿が手を差し延べてくれた。
私は……
手を握った。
その瞬間……
私の体は光に包まれた。
暖かい………
数多の命を奪いし罪深き私が……生まれ変われる。
来世で生まれ変われるならば………
今度こそ……
平和な世で……生きられることを願う……
血塗られし紅の戦慄は……
今ここで終焉を迎えた……
―END―
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