Eqlista

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さああ、と樹が風で揺れる。 見上げると、鮮やかな葉緑の隙間から日差しが差していた。 眩しさに目を細める。 周りには澄んだ色をした青空が広がっている。遠い地平線には雲がいくつか浮かんでいるのが見える。 青い大地を旅する小さな白い旅人、そんな言葉が浮かんだ。 樹の幹にそっと手をやると、乾いてひんやりとした感覚があった。 わずかに汗ばんだ掌に心地よくて、そのままそっと目をつぶった。 「――フレデリカ様」 青年の声が後ろからかかる。 振り向くと、従騎士がこちらへと歩いてきていた。 「――ミシュア」 「そろそろ執務のお時間です。お戻りになられては」 「すぐ行く」 フレデリカは立ち上がった。 ドレスの裾に、草切れがいくつもくっついてくる。 落とそうと手を伸ばし掛けると、ミシュアが「失礼します」と素早く手を伸ばした。一つ一つ丁寧に取り払う。 「また地面に直にお座りになって……お召物が汚れます」 「好きなのだ。許せ」 「世話係のサラザールが嘆きます」 騎士の苦言に苦笑しながら、フレデリカはされるがままに立っていた。 首だけを動かして、周囲の景色をまた眺める。 高台になっているこの場所は、どこまでも見渡せる、彼女のお気に入りの場所だった。 風が頬を撫でるのを感じながら眺めていると、遠くで動くいくつかの点に気づいた。    
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