闇に堕ちた天使

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俺は……もう戻れない。 だから、せめてお前達が幸せ……じゃないな。少しでも楽になれる選択をしようと思う。 はは、よく考えてみれば、益々ただの言い訳っぽいな。否定はしないが。 これはお前達には届かない。 わかってはいるが、自分への言い訳として“それをした”という事象が欲しかっただけだ。 ホント、俺は駄目な奴だと思う。 何のために全てを捨てたんだか。 まあ、それでもお前達が生きる今を作れたんだ。俺はそれだけでいい。 今や俺はそれを壊す立場のはずだ。いや、はずではなく、確実に。 だから、次に俺に会った場合は迷うことなく、後ろ────を一──してくれ。 天使を殺すには──────同じ殺され方をされない限りは死ねないからな。 ──とある少年が拾った焼き焦げた手紙にはそう書かれていた。
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