気が付けば、勤続15年…

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いつも6時半に起きて、テレビでニュースを見ながら、新聞を読む。 そうしている間にお湯が沸く。 以前、旅先で飲んだチャイが忘れられなくて、それ以来、朝は必ずミルクティーを甘くしたチャイもどきを飲んでいる。 小学生の頃から朝が弱く、朝食はあまり食べられない。だから、このチャイもどきは強い味方だ。その他はバナナとトースト、ヨーグルトで充分。 たまに思う。 朝をちゃんと食べる彼氏と付き合った時は大変だった。結婚したら、こうは行かないだろう。このヌル~い生活も捨てがたい。 しかし、この生活を捨ててまで結婚したくなるような人に出会いたいものだ…と、あくまでも自己中心な希望を捨てていないのが、独身貴族を謳歌できない理由かもしれない。 あとは着替えて、化粧して出掛けるだけ。いつも仕事の時はこんな朝である。 会社に向かう電車の中で、今月は結婚退職する子がいることを思い出した。 「フゥ」 なぜかため息が出た。 今まで出会いがなかった訳ではない。 どうして結婚まで行く恋と行かない恋があるのか考えてみた。 答えがわかったら、今頃結婚してるはずだ。 自分で導き出した答えが、妙におかしくて、吹き出しそうになった。
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