ー碧ー

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碧月が戻って1週間 これと言ってかわった事もなく、平穏な日々を 送っていた 「翔~、退屈だね」 『うん』 「私も退屈…」 「外に出たい!クレープ食べたい!遊びたい!」 燕羽が手足をバタバタさせて叫んでいた 『だけど、まだ外は危険だし』 「わかってるけど」 「毎日、家の中じゃ太っちゃうわ」 「僕も新しいガンプラ欲しいよ」 「俺は服が欲しい…」 そんな翔達を見て、 みんな苦笑していた 「困りましたね」 「でも、確かに退屈だよな」 「庭に出るのも止められてたら息も詰まるよ」 「しかし…」 確かに、ここ数日は 落ち着いている 「じゃさ、みんなで行けばいいんじゃない?」 碧月が遊園地のチケットをヒラヒラさせながら 言った 「遊園地か…」 「遊園地なら視界もいいし」 「そのかわり敵にも我々が丸見えになりますね」 「だけど遊園地で騒ぎは起こさないだろ」 「俺達がしっかり護ってやれば大丈夫だ」 「もうヘマはしないよ」 幻月達も自分達が行きたそうだ 「わかりました」 「よし、じゃ明日行こう」 「はい」 こうして久しぶりに 出かける事になった 燕羽達は大喜びだったが、翔は浮かない顔をしていた その日の夜、ベットの中で翔に尋ねた 「行きたくないですか?」 翔はしばらく考えながら 答えた 『行きたくない訳じゃないけど……怖いんだ』 「大丈夫ですよ…私が 貴方を護ります」 『和海…』 「信じて下さい」 『うん……俺、和海が いなくなったら頭がおかしくなりそうで』 「それは私も同じです」 『うん』 最近、余り元気がない翔 仕方ないと言ってしまえばそれまでだが… 少しでも元気にしてあげたいと毎日考える 『絶対、離さないでね』 「離しませんよ」 細い体を抱きしめて 優しくキスをする 『和海…』 「夜はまだこれからですよ」 『うん』 激しく舌を絡み付けながら、強く抱きしめる そう…夜はまだこれから 何も考えられないように してやるよ
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