逃走

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 ・・・・どのくらい、泣いていたのか。ようやく私の涙はおさまった。  泣いていても、意味なんてない。わかりきったことだ。・・・早く、キミヒサの所に戻らなければ。 「・・・あ」  ふと、タイルの床を見てみると大きな傷があった。つまずけば、誰もがちょっと転ぶような傷痕だ。  ・・・私だ。どうやら無意識のうち、手に力をこめていたらしい。それを伺えるように、手を見てみると血管がびしびしと浮き出ていた。 「・・・・」  漫画か。それとも、本当の化物か。  私は立ち上がる。
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