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ー-…‥
「ぎゃぁぁぁあ!!」
暗闇の中、二人の男が居た。
血に濡れ、悲鳴を上げた二十歳前後の柄の悪そうな金髪の青年と、その青年の前で白髪と黒髪をなびかせ、どこか控えめに見える真紅の瞳をした少年が青年を見下ろすかのように立って居た。
「胡蝶の身、幾億の時を過ごし天空へと誘われん。
胡蝶の魂、遥かなる時を越え現在に生まれんとす…。…次会うときはいいやつに生まれ変わってるといいな…。」
青年を闇へと葬り、少年は去っていった。
少年の名は『胡蝶智季』どんな仕事も受け持つ胡蝶家の一人息子である。
「疲れた…」
彼は仕事を終え、家に向かい足を進めていく。
ー…いつまでこんなことしなきゃいけないんだろ。僕は普通に生きたいだけなのに…。
心の中で呟き、俯きながら家に帰った。
いつもは静かな家なのに、今日はなんだか騒がしい。
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