虚無

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虚無

「起きろー! 朝だぞー!」 朝から凄まじく鳴り響くフライパンを叩く音で目が覚める。 そして朝飯を食べて色々と手伝いや散歩に出掛ける。 そんな当たり前になってしまった事が、今日は違った。 いつまでたってもフライパンをもったヒミカが現れず、しばらく眠ったふりをしていたが、ついに飽きてリビングへと向かった。 「ふぁ~、珍しく今日は起こさないんだな」 春樹の欠伸交じりの言葉に答えるはずの主の声が帰ってこない。 「? 出掛けたのか?」 時々朝のバーゲンだかで朝早くに家を出るときがたまにあった。
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