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「起きろー!」
突然の大声に、耳鳴りがする。
「ぐっおっ」
桜井 春樹の口からようやく出せた言葉は、うめき声だった。
「む? まだ起きないのか、よーし、ならばもう一度」
「やめろ! 起きっから!」
二度も耳鳴りを起こされては身が持たない。
眠気の吹っ飛んだ重い体を起こして、大声を出した張本人を見る。
「よしよし」
なにやらすごい満足顔をしている女の子がいた。
「・・・・・君、誰?」
「・・・・頭がおかしくなった?」
とてつもないほどに失礼な言葉である。
とりあえず状況把握のため周りを見る。
林が見える、湖も見える、そして少女がいる。
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