1365人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
「き、貴様……」
うなる様な声を茉莉は発した。
大樹は必死で謝った。
だが殴られる覚悟はしている。
「な、何してるの?……」
声は別のものだった。
二人はその声の方に顔を向けるとそこには状況を理解するのに時間がかかっているバロムが呆然と立っていた。
「バ、バロム・クリスティナ・ハーツ!違うんだ。これは事故だ!」
「そうだ!バロム、俺達はやましいことはなんもしていない!」
「えーい!暑苦しい、離れろ風見大樹!」
「ぐばっ!」
大樹のみぞにライトバースト(*右ストレート)を放った。
「私は仕事に戻る。バロム・クリスティナ・ハーツ、そこでのびてる風見大樹を任せたぞ」
茉莉は控え室から出て行った。
バロムは茉莉があそこまで取り乱した姿を初めて見ておかしく思った。
そしてすぐに大樹のもとに駆け寄り、抱きしめた。
「大樹~、大丈夫~?」
「んっ?あれ?委員長こんなに胸でかかった――ってバロム!何してやがる!?」
「大樹に胸を押し付けています」
バカかこいつは?
そんなことを思いながら大樹は嬉恥ずかしい状態で迷う。
もう少しこの胸を味わうか、それともまた誰かくるかもしれないから誤解を招かない為にもバロムから離れるか…………
苦渋の選択!
「……バロム、とりあえず離れよ」
自分で言って実に勿体無いことをしたと大樹は残念な気持ちだった。
最初のコメントを投稿しよう!