2530人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
「自己紹介が遅れてしまったな、俺は近藤勇と申す。一応これでも新選組の局長なのだ。君も何かと色々と大変だろう。気兼ねなどせず、何でも言ってくれると良い。宜しく、一条君!」
近藤さんは、私が入隊するという事に対して何も言わずに、ただ柔和な眼差しを此方に向け、ぽんっと肩を優しく叩いた。
てっきり、何か言われるものかと思ってたんだけど…と拍子抜けしつつも私は、
「いえ、こちらこそお世話になります…」
と、正座をしたままの体勢を崩さず頭を下げて言った。
するとそんな私の態度を見てなのか、沖田さんは優しい笑みを湛え、
「和桜さん。
そんなに畏まらなくても、大丈夫ですよ」
と私の顔を覗き込んで、言う。が、
「てめぇが言うんじゃねぇよ」
土方さんの端的な言葉で、沖田さんはたしなめられてしまった。
「良いじゃないですか、別に。
で、近藤さん。和桜さんは何処の隊に配属するんですか?」
沖田さんは一瞬頬を膨らませたものの、すぐに顔を輝かせ、声を弾ませながら近藤さんに問うた。
最初のコメントを投稿しよう!