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つぐみはベッドに寝そべり、天井を見ながら思わず笑みがこぼれた。
好きな時に出掛け、好きな物を食べて、好きな物を買う、そして何でも話せる友達に、憧れの男性がいる。つぐみは自由と同時に多くを手にしていた。
最初は人を殺すなんてとんでもない事だと何度も躊躇したが、行動を起こして正解だった。ずっと夢見ていた事が現実になったのだから。十代の頃の自分に知らせてやりたかった。さすがに高校生じゃ実行に移せないだろうが、今はその時の苦しみをすっかり解消出来ていた。
ドアをノックする音と共に、渡部の声が聞こえる。
「お嬢様、お風呂の準備が出来ました。」
「わかったわ。」
つぐみは笑顔でベッドから立ち上がる。
「お嬢様、一つだけ言わせて下さい。」
「何かしら?」
「社長が亡くなってあまり時間が経ってません、あまり破目を外さない様にして下さい。」
「わかってるわ、そんな事言わないでちょうだい。」
つぐみは不機嫌そうに言うが、渡部は表情を変えない。
「事情はわかっているつもりです。しかし…」
「どういう事?」
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