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尚視点
え……?
今、見てしまった。
剛兄が吐血したのを。
多分殴られ続けたからだと思ったけど、びっくりしたんだ。
僕は敵を忘れてすぐに剛兄の元へ走った。
尚「剛兄!剛兄!」
呼び掛けたけど、気を失っていたみたい。
剛兄……
田「釣川は大丈夫か?」
尚「田邉っ……」
田邉はニヤニヤ笑いながら僕の胸倉を掴む。
田「次はお前だ。」
尚「!!」
田邉は僕の胸倉を掴んだまま壁の方へ連れていく。
僕は必死にもがいた。でも、体力が減ってきてるせいで、抵抗が出来なくなってる。
田邉は僕を見てまたニヤニヤ笑いだす。
そして壁の近くまで来ると田邉が僕の背中を蹴った。
どんっ
尚「いっ……た……」
壁に思いっきり顔を打った。
その衝撃で意識が飛んだ。
意識が飛ぶ前、裕ちゃんが僕の名前を呼んだ気がした……
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