プロローグ

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西暦2307年。 地球の化石燃料が枯渇し、人類は新たなるエネルギー資源を太陽光発電に委ねた。 半世紀近い計画の後、 全長約5万kmにも及ぶ三本の軌道エレベーターを中心とした、太陽光発電システムが完成する。 半永久的なエネルギーを生み出すその巨大構造物建造のため、世界は、大きく三つの国家群に集約された。 アメリカ合衆国を中心とした世界経済連合、通称『ユニオン』 中国、ロシア、インドを中心とした 『人類革新連盟』 新ヨーロッパ共同体『AEU』 軌道エレベーターはその巨大さから、防衛が困難であり、構造上の観点から見ても、ひどく脆い建造物である。 そんな危うい状況の中でも、各国家群は己の威信と繁栄の為、大いなるゼロサムゲームを続けていた。 そう、24世紀になっても、人類は未だ、一つになりきれずにいたのだ。
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