747人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
あとがき
お疲れ様でした!
ここまで、この場所まで来てくれてありがとうございます。
全ての皆様に心から感謝します。
誠実に真摯に振り返ってみようと思います。
迷路と恋の隙間は十年前に、まだエブリスタになる前に造った物語でした。
恋の隙間はまだ良かった。
恋の様子を書くのは楽しくもあるけれど、迷路は、愛に変わる様子を書くのが、とても難しかったです。
何より、恋の隙間は、志乃と正史がいて、二人が上手に夕弥と美雨の関係をサポートしてくれたことが大きかったです。
迷路では、その二人がいない場所、今までの四人ではなく、夕弥と美雨の二人だけで乗り越えなければいけなかった。
それはとても大きな障害になりました。
そして私を悩ませた問題が二つありました。
一つは美雨の存在。
彼女はとても難しい女性で、何をどう思っているのか、どうしたいのか、どう動くのか、彼女の人間性が分からなかったこと。
もう一つは、もともと美雨と夕弥は、合わないと思っていました。
ハッピーエンドにしたくても、ギリギリまで二人はまとまらずに、むしろ離れて行くので、どうなるんだろう、やっぱりこの二人は無理じゃないか、と困惑していました。
結局、恋の隙間だけ公開にして、迷路は非公開のまま、十年間経ってしまいました。
けれどその十年間、ひと時も忘れずに、夕弥と美雨は頭の中を離れた時はありませんでした。
でも物語は書きたいから、恋の隙間の中で、野宮の章、林檎のように可愛い君、悟の章、ゲーテじゃなくなった日、を無理矢理押し込んで物語を繋げました。
野宮と悟の物語だけで一つの作品となっていたし、できればもっと色濃く長く書きたかったけれど、恋の隙間に押し込むにはあの位の短さが限界でした。
でも今となればあれで良かったかな、と思います。
最初のコメントを投稿しよう!