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「…っ!?」
魔理沙が力強い声を上げると同時に、膨れ上がる魔力。
あれだけの魔力を放出したにも関わらず…いや、そもそも人間として、あまりに規格外なその魔力の大きさに、レミリアはほんの僅かに怯んだ。
(ここに来てこの魔力…!? どこにそんな余力が――いや、そもそも魔理沙は…)
「迷ったね、吸血鬼さん」
で、その隙を見逃さないちょーカッコイイ少年が一人……どうも久しぶり。一応主人公の鍵屋です。
「なっ!!? 貴様何故…「くらえ必殺『そこら辺に落ちてた槍で背後から心臓ドスッ☆』!!!!」
今まで10ページ近くシカトぶっこかれてた怨みを込め、動揺で動きを止めたレミリアの心臓目掛けて、メイド妖精の槍をぶん投げる。
しかし、流石は吸血鬼、このナイスピッチングを…いや完全な不意打ちを、身体を捩って急所を外して見せた。
…だが、
「…っ…ぐっ…!!」
「お嬢様!!」
流石に、避け切る事は不可能だったらしい。
僕の投じた槍は、レミリアの腹あたりを捉え、さっきのうどんげの再現のように、ぐっさり刺さってくれた。
しかし、やはりそこは吸血鬼。人間なら明らかに致命傷の一撃を貰ったというのに、苦しげな表情を浮かべながらも踏み止まり、僕を睨み付けて来た。おおこわいこわい。
「…貴様ぁ!! よくもそんな卑怯な真似を…!!」
「うん黙れ。君にだけは言われたくないかな」
「…っ! ――紅符『不夜城レッド』!!」
レミリアの宣言と共に、雷のような真紅の炎が、僕目掛けて襲い掛かる。
今までのような、見てからグレイズ余裕でした…なんてものじゃない、超高速の雷。
まあ当然、そんなもの僕が避けられる筈もねえので、
「――『フィールドウルトラレッド』!!」
そこは、鈴仙に任せる事にしました。
「ナイス鈴仙。後は任せな」
「もう…兎使いが…荒いんですから…」
「うどんげっ!? お前…!」
「話は後だ魔理沙! 一発デカイの頼む!」
「…ぐっ…このぉ!!」
復活していた鈴仙に驚く魔理沙に、僕が短い指示を飛ばすと同時に、再び僕へと向かって牙を剥く吸血鬼。
どうしても僕をぬっ殺そうってつもりだろうか? そうかい、是非そうしてくれ。
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