殺したいほど愛してる/千石くん

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                    彼に抱き締められる度に香る、色んな香り。それは甘ったるかったり、苦かったり、いろいろ。(くさい……) 「清純、また色んな匂いがする……」 「ごめんごめん、ちゃんと洗濯してるんだけどな」  背中に回した手で思わず清純の首を絞めたい衝動に駆られた。当たり前のことのように済ます彼が憎いと思った。それでもわたしが首を絞めなかったのは、きっとまだ清純を愛しているからだろう。 「華、愛してるよ」  耳元で囁く愛の言葉。それにくらくらしてしまう自分はまだまだだと思う。  重なる唇。今の彼からはわたしの匂いしかしないけど、おそらくすぐに他の匂いに埋もれてしまうだろう。 (お願いだから、早く他の女と別れて) (じゃないとあなたをこの手で殺してしまう)                   
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