ジョウホウ

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「やっぱり 垣先契約者だったんだ」 コレクターもとい憶羅先輩は 何かを確信した様な顔をして 垣下先輩に目を向けた それを聞いた垣下先輩は 少しばかり驚いた 自分を一目見ただけで 垣下だと分かるだなんて いくらなんでも思わない しかし 憶羅先輩は出来た 何故だろうか 「お前… どっかで会った事あるよな」 急にトリポカが 憶羅先輩に聞いて来た しかし その質問に 憶羅先輩は答えなかった それは無視と言うより 答えられないと言うのが言葉としてあっている それはつまり 憶羅先輩がトリポカを知っていると言う事だ しかし どちらにせよすでに 憶羅先輩はこの集会を見てしまった 「まぁいい お前が誰であろうと この集会を見ちまったんなら 生かして帰す訳には…」 トリポカはそう言いながら 右手を前に出した そして大声でこう叫んだ 「いかないな!」 そして小声で素早く トリポカは何かを呟いた 瞬間だった その翳した右手から 水の様に半透明な しかしはっきりした形のある 黒っぽい剣が現れた 「フッ」 トワイタは やるな と言わん許りのラフィンノーズを発した トリポカの黒色半透明な剣は 鈍い光を発している 「それで俺を切り裂くのか~」 憶羅先輩は まるで他人ごとの様に 口元に笑みを浮かべながらそう言った 「俺の剣は ナノソードっつってな 切れ味が半端なくいいんだぜ」 トリポカは自慢げに黒い剣をちらつかせながら 憶羅先輩にそう言った 普通なら 少しくらいは動揺の色を見せる物だ しかし 憶羅先輩にあるのは 余裕の笑みだった 「そう じゃあやってみろよ」 トリポカはその声を聞くと 自分の近くに剣を近付け 両手に構えた そして憶羅先輩に 笑いながらこう言った 「命乞いしても 聞く耳は持たねーぜ」 「ご勝手に~」 トリポカは 憶羅先輩に勢いよく切りかかった
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