43728人が本棚に入れています
本棚に追加
/943ページ
もう少しで行き止まりに到着する。
前を歩く北嶋さんから約15メートル先だ。
肉眼で行き止まりが確認できた。
神崎「ん?」
行き止まりの右側・・・山側に地場の歪みを確認した。
そこから
1メートル以上の獣がノソノソと現れた。
神崎「北嶋さん、止まって。」
北嶋「あいよ~。」
散歩を楽しんでいる感が多々ある北嶋さんが立ち止まる。
北嶋「出たか狐が?」
キョロキョロと見回す北嶋さんだが、勿論見えない。
私はスケッチブックに絵を描く。
神崎「次はコイツね。」
北嶋さんがどれどれと覗き込む。
北嶋「蜘蛛?鬼の面付けてるようだな。」
神崎「土蜘蛛ね。アレも手強いわ。乱入歓迎だからね北嶋さん。」
北嶋さんを押しのけ、前に立つ。
北嶋「また神崎がやるの?俺暇なんだけど・・・」
神崎「あら?いつもはコキ使い過ぎとか文句言うのに?」
北嶋さんがプイッとソッポを向く。
北嶋「いつでも代わるから言ってくれよ?」
北嶋さんらしい優しさに触れて私の口元が緩んだ。
最初のコメントを投稿しよう!