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八足の獣がゆっくりと、ゆっくりと近付いてくる。
神崎「余裕ね。私がただ待ってると思ってるのかしら・・・」
土蜘蛛が近付いてくる前に、私の左右前に札を置く。
神崎「いちいち待っててやんないわよ?」
私は再び詠唱をした。
土蜘蛛がだんだんと
だんだんと・・・
遂には私の1メートル前に着いた。
───何やら小賢しい細工をしたようだが?
この俺に通用するのか?
私の前で仁王立ちになり威嚇する土蜘蛛!!
構わずに詠唱を続ける私!!
───大百足の時と同じ術か?あんな大技がそうそう決まる訳があるまい!!
その顎で私を捉えようと向かってくる土蜘蛛!!
左右前に置いた札が形を成す!!
土蜘蛛の身体をしっかりと受け止め、動きを封じた!!
───女!!陰陽道も使うのか!!
土蜘蛛の身体を捕らえたのは式神だ。
ただし、私は未熟故に多くの命令は出せない。
私が出した命令は
敵を捕らえて逃がさぬ事。
戦わないし、動きもしないが、捕らえる事に特化した式神にしたのだ。
私の術発動の時まで!!
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