第一章∴名無しの少女が出逢った竜の男∴

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「…小汚いガキだな 誰だあの子供は?」 「ほら、あの子よ、 ある村の物を盗んで、噂されてた子だよ。」 「挙げ句の果てには、 村の人間全員を死なせたらしいわよ。」 「おっかねーなぁ。」 「そんな悪魔みたいなガキがなんでこんな村に…」 「まさか今度はこの村を?」 「よしとくれよ…あたしゃ死ぬなんてごめんだよ。」 「俺だってそうだ。」 「私もよ。」 「まただ…」 ボロボロの着物一枚だけの少女が とある村に足を運んだ 自分の村が何者かに襲われ、 その少女は逃げてきた ある日、 忽然とその村が消えた為 その村に訪れた者が 一人だけ生き残っていたその少女を疑い、責め、 悪魔と呼び付け その地方にある村中に噂が広がり その少女は言われるがまま… 「まったく汚らわしいよ 早く出ていってほしいな」 「ああ、まったくだよ」 (足が痛い…‥食べ物、きっとまた貰えないよね…) (‥なんで…なんで…私が‥生き残ったの‥?) ーッヒュ! 「っ痛!」 少女の頭に石が投げられた。 「さっさと出てけ悪魔め!!!!」 「アンタなんかに村は渡さないよ!!!」 「出てけ、悪魔め!!!」 「ぅッ‥痛っ…」 少女は足をくじいてしまい、固い地面に膝をついて動けない状態だった。 だがその姿を見ても村人は石や物を投げ少女をいたぶり続けた。 (痛い、痛い、痛い…なんで、なんで、私が、こんな目に‥っ‥) そして一人の村人が最後の最後で鋭く光る槍を何処からか取り出した 「っ!!?」 それを見た少女は慌てて逃げだそうとしたが、 体は動かず、とうとう その場に倒れてしまった 「くらえ!!悪魔め!!!」 少女は意識が薄れていく 中、自分に飛んでくる槍を見つめた そして、 何かが目の前で素早く割れる音がしたのを 最後に意識を無くした…
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