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もう大分近くなってきていた地面へ、思い切りトリスタンの身体を蹴り落とす。
真下ではなく、やや前方。
それは、切り落とした腕と本体とを遠ざけるためであり、間合いをとるためでもあった。
自由落下に加え、蹴りの勢い。
包帯まみれでやや細身の奴の肉体は、石の床を砕き、叩きつけられた。
石のつぶてが飛び散り、身体がめり込むのが見える。
私は、翼を一度大きくはためかせ、落下の勢いを相殺して着地した。
ヴァルナを拾い、しっかりと握りしめる。
そして黒不浄を鞘に納め、空いた腕を天にかざし。
その手のひらの先に、小さな火球を生成した。
この一撃で……終わりにしてみせる。
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