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この話は、あたし一人で溜め込んでおくには、ちょっとヘビーすぎる。
あたしは文章を書くことが好きだから、こうやって書いていくのが一番いいと思ったので、あたしとあいつの身の回りに起こったことを、きちんと整理してみようと思う。
まずは、あたしのこと。
極普通。読書と猫が好き。でも、ホラーとオカルトは大の苦手。
怖い話もダメだし、ホラー映画なんか絶対に見ない。
でもスプラッタとかゾンビ映画は大丈夫。
幽霊とか呪いはダメだ。要するに、
『目に見えないけど、そこにいるもの』
が怖い。
だから怖い話は聞かないし、ホラー映画も見ない。幽霊は信じない。信じたら怖いから、信じない。
で、あたしが去年の六月から同居し始めた青年は、正反対のタイプだった。
スプラッタのシーンが出てくると布団を頭から被ってしまうような情けない奴。
でも、彼は幽霊が
『見える』
と言った。
あたしがそういうのが苦手だと知っていてからかっているのか、それとも本当にそうなのか、どうもよく分からない。
ただあたしは、彼と暮らし始めてからというもの、ますます怖がりになった。
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