ただ一人のために

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「作戦はこう。」 慎太郎が、英介に借りた眼鏡をかけて紙を指差す。 「それだて眼鏡じゃん」 「黙れ臣哉。」 そう、英介の眼鏡はオシャレの様なもので、度の入らないだて眼鏡だ。 空気の読めない臣哉の指摘に、静かに渇を入れながら慎太郎は続ける。 「しばらく遥には近づき過ぎないこと!」 それを聞くなり、 「俺はヤだね」 楽斗が口を尖らせて顔を背けた。 「なんで」 「なんでも嫌だ。俺様が遥を守ってやるよ」  
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