姿の見えない悪魔

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―――――…「ねぇ、聞いた?”切り裂き魔”の話」 「うん、また出たんだってね。これで13人目だよ」 「しかもその現場ってこの学校のすぐ近くの駅でしょ」 「うっそ!こわ~~…」 最近この学校私立八神高校はこの話題で持ちきりである。 ――――切り裂き魔 ほんの少し前に起きた通り魔事件。 最初は被害者は一人で、腕を少し刃物で切られた程度。 警察はイタズラと特定殺人の二方向から捜査を進めた。 しかし、被害者は犯人の顔どころか姿も見ていないのだと言う。 犯人の特徴が分からなければ捕まえることは到底無理なわけで、その事件は大して世間に露見されることもなく表向きには見向きもされなかった。 ところがそれから一ヶ月後、再び事件は起きた。 被害者は最初の被害者と同じく腕を切られていた。 警察側は同一犯とみて事情聴取を行なった。 そして帰ってきた答えは至ってシンプルなものだった。 『犯人の顔はみていない。 姿も見ていない』のだと… 確定したのはいずれも犯人は同じだということだけ 捜査はますます低迷するばかり。 そうしている内に、また一つ、二つと事件が相次ぐ。 未だに犯人の特定は出来ず、問題は増えるばかり。
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