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友人に相談がある、と近所の喫茶店に呼び出された。
約束の時間に喫茶店に着き、呼び出しを掛けた当人を探すため、店内を見渡すと喫煙席の奥の方で見覚えのある男が手を挙げてこっちに来いとジェスチャーで僕を呼んでいる。
「よう、どうしたんだ。」
「あぁ、最近ちょっと、いや、かなり困ってることがあってな。」
言いながら溜め息をついた。相談事がよっぽど深刻なのか疲れきった顔をしている。
「で、結局どうした。 」
「実はな、最近変な男につきまとわれてるんだ。」
「何だって。」
「だから最近、変な男につきまとわれてるんだって。」
「どういうこと。」 ゲイのストーカーに気に入られたのか。確かに本人からすると深刻なのかもしれないが第三者からすると笑い話だ。僕の顔を見た友人は嫌そうな表情をした。多分僕は知らずににやけてしまったようだ。
「あのな、お前が思ってるような事じゃないぞ。まあ多分半分ぐらいは当たってるかもしれないけど。」
「半分ぐらいって、詳しく説明してくれよ。」
最早僕は親切心から相談に乗るのでなく好奇心でいっぱいの野次馬のようなモノになっていた。
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