03

3/16
6756人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
「なー。」 「はい?」 「なんでお前から告白しないの? プライド、とか?」 悟先輩の言葉に。 素で笑う。 「だってあの綾乃が顔を 赤くして『好き』っていうの 見たいもん。 すっごい言わせたい。」 絶対可愛いよね。 俺の言葉に悟先輩は、しばし 呆然。 「佐伯…可愛い顔と口調して 言ってること……。」 「可愛いとか言うな。 背も悟先輩より大きいし。」 「いや…犬みてーなんだもん。」 そう言って笑う悟先輩は 完璧な『男』で。 なんか悔しい。 「人間だしっ! 好きな子に嫌われるよ!」 べー、と舌を出し屋上を出る。 後ろで。 なんで知ってるんだー! とか叫んでる声。 好きな子、本当にいたんだ。 そのまま周りに挨拶をしながら 教室へ行った。 .
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!