st.1 過去の自分

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(シクシクシク・・・) 居間で幼い少女が声を押し殺し、泣いていた。 小さな背中が小刻みに震えている。 「何故泣いてるの?」 視覚的に見えてるだけの自分の声が響いた。 と、同時にこれが夢だと悟る。 「悲しませてしまったの・・・。」 その年齢には合わない、大人びた声が返って来た。 いつの間にか少女は成長しており、中学生ほどになっている。 「そんな顔させたくなかったのに・・!」 ボロボロと涙を流す少女。 感情がストレートに入り込み、その少女が過去の自分だと知る。 「もう2度と言わないから! 誰も愛さないから! だからお願い・・・もう・・。」 「もう悲しまないで!!」
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