序章

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「ん? ん~……」 「ちょっ、待って! 何「どうだろ~」的な余裕さで悩んでんだよっ!? そこは「生きてる」って即答するとこだろ!?」  紅の言葉を聞いた少女が炭化した物体に近付いていく。  それを見て生きているのかを確認すると思った紅が緊張の面持ちで見守っていると、ドゲシッ! という効果音が聞こえてきたりした。 「………………オイ」 「かろうじて生きてるみたいよ。しぶといわね」  そのしぶとさのお陰で俺達の人生が日陰者にならずに済んだんだよ! と思った紅だったが、何を言っても無駄だと思い直すと、ため息を零す。  そして、紅は疑問に思う。 (はて? 何で俺はコイツに追い詰められてんだ? そもそも、何でコイツがここにいる? 確かコイツは……) 「考えてる事が丸分かりね。私はアンタを叩き伏せる為にここまで来たのよ! あ、ついでに仕事もしに来たんだけどね」  仕事はついでかよっ! と紅は疲れ果てたサラリーマンのような顔でため息を吐く。
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