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「…………どこと会話してやがんだ、コラ」
いつの間に目覚めていたのか、少女は目を乳にしている紅の下心を射抜くように鋭い棘しかない視線を向けていた。
「いや、その、な、なははは――って、そうじゃねぇよっ! 何でテメェが俺の部屋にいて、しかも何故に同じベッドで一緒に寝てやがるのかっ!?」
何か色々と情けなさすぎる理由からうやむやになりそうだと判断した紅は、無理矢理に話の主導権を自分が持とうと頑張ってみる。
「アンタに会いに来たんだから住処くらい事前に調査するわよ。それに同じベッドで一緒に寝てたのは、私が蹴り落としたのにアンタがゾンビみたいに這い上がってきたのが原因よ」
「うっ、す、すいませんでした」
無理だった。自分は悪くないはずだと思いつつも、こういった案件の場合、男である自分が悪いと思ってしまうのは何故だろう? と、紅は首を傾げる。
そんな紅に少女は欠伸をする口を手で隠して告げる。
「罪滅ぼしさせてあげる。朝ご飯を作りなさい」
と。
本気で殴っていいですか? と皆様に問いたい紅だった。
(殴れないんだけどね)
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