ボクはアクマ

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はぁ…かったるいなぁ… 脳内につんざく目覚ましを 布団から片手を出し止めると ため息をついた 僕が未成年であり この国の住人である以上 『学校』とやらに 通わなければならない 義務がある 「起きてんのー?遅刻するよー?」 階下から母親と称する女が怒鳴っている 僕はユックリ玄関に降りると 靴を履いた 「ご飯は?」 後ろで声がしたが、何も答えず玄関のドアを閉めた あぁー…何だよこの天気… 眩い光は緑にキラキラと反射し、通学中や通勤中である人々の声が耳障りで仕方がない 「あ!おはよーん」 元気の塊と云わんばかりに僕の肩を叩いたのは、僕の苦手な部類の人間…同級生と言う名の女…美羽(ミウ)だ 「戒斗(カイト)!走んないと遅刻よ!」 嫌がる僕の手を無理矢理掴むと、軽快に走り出した 教室に着くと 「いつもながらアツイねぇ」 「ヒューヒュー」 「付き合っちゃえばぁ」 聞き飽きた冷やかしの洗礼を受けたが、僕はいつもの様に無視をし 下界から離脱する為に 机にうつ伏せると耳を塞いだ これで僕は一人だ 周りの喧騒も聞こえない 僕が昼間に行動をするのには理由があった 他でもない…人間観察だ… 愚かな人間を知るのには こうして人間の集まっている場所が、情報も集まりやすい 僕はうつ伏せたままニヤッと口元を緩めた
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