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ここは幻想郷―――外界の人から忘れられた存在が流れ着く世界。
私は、そんな幻想郷と外界を遮断する博麗大結界の管理をする博麗の巫女。
名前は、博麗 霊夢。
この素晴らしき幻想郷の中でもトップクラスの貧乏人であることも自負している。
……はあ、毎日毎日やってられないわ。
そもそもなぜ、ウチの神社には参拝客という参拝客が来ないのかしら。
遊びに来てはタダ飯を食べて行く魔法使いは来るというのに。
今言ったように、私は神社に住んでいる。
それも博麗大結界を管理するにあたって要所となる博麗神社で。
まあ私が博麗の巫女なのだから当然か。
金がないと言っても収入源がないわけではない。
確かに神社の賽銭をあてにはしているが、それだけでは生活なんてそうそうできない。
参拝客は来ないし。
で、時たま人里の人間から害をなす妖怪の退治を依頼される。
その報酬で生活費を稼いでいる、というわけだ。
今はもう、それが仕事と化している気がする。
私が霊力を持っていて、妖怪と対峙することのできる人間だからだ。
しかし、それは博麗の巫女という名を持つ私の役割にはならない。
あくまでも仕事だ。
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