博麗の巫女

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では、博麗の巫女の役割とはなんなのか。 それは博麗大結界を守るため、結界の維持とそれに害をなす事象と幻想郷に害をなす事象の排除。 つまり博麗の巫女は幻想郷全体を守っている、言うなれば幻想郷の主なのだ。 私はこれまで数々の幻想郷を脅かす事象―――異変を解決してきた。 例えば、この幻想郷に紅い霧が発生したり、春が訪れなかったり、月が隠されたり。 そのどれもに黒幕という存在がいたが、今ではみんな良き友人だ。 中には良いとは言い難いやつもいるが……それでも友人。 そんな中で、共に異変を解決してきた古くからの大切な友人がいる。 そいつは、自称の魔法使いで(まあ実際にそうだが)他人の家に侵入しては物を盗んでいく(そいつ曰わく、死ぬまで借りているだけ。一般的にそれを盗むという)という怪盗まがいのことを繰り返している。 先程言った、遊びに来てはタダ飯を食って帰る人物とはそいつのことだ。 魔法使いだけあり、箒に跨ってその黒と白で基調された服をたなびかせ、黒い帽子を片手で押さえながら空からやって来る。 そいつの名前は霧雨 魔理沙。 そろそろやって来る頃だろう、昼飯を求めて。
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