情事の後で

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(……静かだ) 時折火花が部屋を舞う。 起き上がるほどでもなく、また深く眠りにつくほど疲れてもいない状態で、何をするとでもなくトリューベは唯一の光源である暖炉を見つめている。 先ほどまでの熱はとうに散り、足先が少し冷えている。 薪をくべ直したい…のは山々だが。 (………重い……) ずっしりと圧し掛かる「物」が、動きを鈍らせる。どころか、全くと言っていいほど動けなくしている。 (…よくこの状況で寝られるな) 規則正しい寝息が、耳から肩にかけて触れる。 それが心地よくはあるのだが、一回り大きい男が全身を圧迫している苦しさは無視できない。 無理矢理に抜け出すほどの体力は残っておらず、かといって寝るに寝られない状況に、トリューベは少し困っていた。 一晩中愛された身体は、ほのかな快感を残している。
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