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夕方の公園で僕は途方に暮れていた。 ここはどこなのだろう? 隣りの隣り町まで来たのだろうか?よく分からない。とにかく絶望感でいっぱいだった。 でも不思議なんだ…この絶望感は一体なに? 頭の中がモヤモヤして思い出せない。 目を閉じて霧のかかった記憶を辿っているなか視線を感じた。顔をあげると、一人の少年が僕の目の前に立ったまま、興味津々な感じで僕をまじまじと見ていた。学校帰りなのだろうか、ランドセルを背負っていた。 僕は砂場で丸まっている体勢だった。砂場に遊びにきた少年の邪魔をしていたのかと思い、立ち上がってその場を去った。     …僕はぐるぐると公園を歩いていた。少年は砂場で遊ぶ様子もなく、後ろをついてくるからだ。少年といっても砂場で遊ぶ年の子でもなかった。 軽く走ってみた、少年も走って追い掛けてくる。 はたから見れば、仲良く遊んでるように見えただろう。でも公園内には、僕達の他に人は誰もいなかった。追い掛けられてるうちに、ちょっと楽しくなり遊んでいる自分に気付く。 走りながら振り返った、少年も楽しんでいる風だった。
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