日常

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俺は緋村弥生。 今俺は何をしているかと言うと… 「緋村ぁぁぁぁ!!待たんかぁぁぁぁ!!」 鬼教師で有名な塚越から逃げているのであった。 大体、学校を途中で抜け出したくらいでこんな怒鳴んなって。 カルシウム不足じゃね? 「んな分けなかろぅが緋村ぁぁぁぁ!!」 何で俺の思考が読めんだよ… 「こんの…戯けがぁ!!」 続けてバンッと机を拳で叩く。 「緋村、貴様何度言ったら分かるのだ!!」 対して俺は両手で耳を押さえて応答する。 「そんな叫ばなくても聞こえてるって…」 まぁ聞こえてても従う気は微塵もないがな。 その後みっちり二時間塚越に説教を受け、自分のクラスへと戻って来た。 「塚越にこってりやられてたの?何やってんだか」 ははっと笑ったのは、親友の神崎 柳。 身長が低い事がコンプレックスの不思議系ボーイだ。 ちなみに、だ。 身長の事に触れてみる。 「おぅ柳。今日も一段と小さ…」 「何て…?」 いつの間にか取り出したハサミの先端を俺の首元、頸動脈に寸分の狂いもなく突き付けられていた。 こうなるから以後気をつけるように。 つか、どんだけ速いんだよ… 「いや違うから、柳。俺は小さな女の子って可愛いよなって言おうとしたんだよ」 「ふぅん…」 ヤバい。柳の瞳孔が開いてる…今日俺死ぬんだ… 「まぁ良いけどさ」 スッとハサミを離し、筆箱の中に戻した。 良かった…今回ばかりは本当にダメかと思った。 「てかさ、弥生って幼女趣向【ロリータコンプレックス】略してロリコンだったんだ」 柳のこの誤解をとくのに小一時間を要したのは、また別のお話。
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