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次の日の朝早く。
任務に付いた私達は、まず周辺の調査から開始した。
王都は天界でもっとも美しく、もっとも天使たちが暮らす都だ。
なにより天界を治める王族が暮らしているため、都内の警護は完璧と言い切っていい。
……つまり、外側は弱いのだ。
(……今のところは特に異常はないな。)
「…隊長。」
「レイド。どうだった?」
「これといった異常はなかった。だが……。」
レイドが目を閉じ、辺りの気配を探り始めた。
「……南の森に魔物の気配が集中している。おそらく、命知らずな連中がいたのだな。」
「!!レイド!」
「…お前の考えなどわかっている。」
そういって私の頭に軽く手を置いた。
「早く行かないと手遅れになる。それに、魔物を一掃できるいい機会だ。」
「あぁ。レイド、頼りにしているぞ。」
――――
「お、おい!!どうすんだよっ!!魔物が集まってきたぞ!」
「や、やばいって!このままじゃ俺達……。」
王都南の森の約中心では、魔物に囲まれている若い天使たちがいた。
「あたしイヤよっ!!こんなところで死ぬなんて!」
叫んだところで魔物の数は減らない。
「(だから止めたのに。)」
溜め息まじりにぼやいた茶色い髪の少年は、己の武器の双剣を構えた。
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