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 カタンと音が鳴る。  それは合図。  聞き慣れた音 「きた」  ミクはそう呟くと外へ急ぐ。  郵便受けへ、純粋さをあらわすような白いドレスで走る。  はしたない行動は慎みなさいと父は言うがそんなことを素直に訊く娘ではなかった。  いや、それより毛頭話を訊く気はない。  彼のことで頭がいっぱいなのだ。  ‘彼’とは隣の屋敷に住む青年、カイトのことだ。  幼い頃にはもうお兄ちゃんの顔をしていた彼は大人だ。  自分とは違い、社交的で人によく褒められる人。  それが、彼。  カイトとは社交界の場で再開した。
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