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「優姫ちゃん、おはよ」
「あっ!真奈美ちゃんだぁ。おはよう」
優姫と真奈美は幼稚園の年少の時からの友達で、仲が良い。
母親同士の仲も良く、いわゆるママ友というやつだ。
幼稚園に歩いて一緒に行くのが、毎朝の日課になっている。
「田中さん、おはようございます。梅雨はジメジメして嫌になりますね」
「そうですね。松山さんのところは、優姫ちゃん、出かけられなくてイライラしたりしない?家の真奈美は――」
他愛ない話をする、いつもと変わらない朝だった。
少なくとも、この時はまだ幸せな時間が流れていた。
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