1

2/4
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「優姫ちゃん、おはよ」 「あっ!真奈美ちゃんだぁ。おはよう」 優姫と真奈美は幼稚園の年少の時からの友達で、仲が良い。 母親同士の仲も良く、いわゆるママ友というやつだ。 幼稚園に歩いて一緒に行くのが、毎朝の日課になっている。 「田中さん、おはようございます。梅雨はジメジメして嫌になりますね」 「そうですね。松山さんのところは、優姫ちゃん、出かけられなくてイライラしたりしない?家の真奈美は――」 他愛ない話をする、いつもと変わらない朝だった。 少なくとも、この時はまだ幸せな時間が流れていた。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!