謎の男

5/5
67人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
あれから、有島は「また会おう」と言い私の前姿を消した。 その後私は帰宅し、鞄をソファーに投げるように置き、黒い封筒を開けて刃物を取り出した。 黒い刃を持ったそれは、私を誘惑しているような気がした。 その時、私の脳が何者かに掴まれた感じがした。これは…今までにない感触だった。 そして、男の声が脳に直接伝わる……!! (オマエガ…私ノ使い手カ…?私ハ…私ハ……) ふと気付くと、私はそのナイフで家の中に置いてある果実を切り刻んでいた。 いったい…いつの間にこんなことを……手は大量の果汁で濡れている… その時私は良からぬことを考えた。もし、これがデスゲームだったら、私は果実ではなく、自分と同じ人間を切り刻んでいたのか。 そして、これ果汁ではなく…… うあぁあああっ!!! 思わず叫びだす。やはり…私には人を殺せないのか……?? いや…私は決めたはずだろう。薫と再会し…そして…… その野望を果たすまで、私は…信念を曲げるものか……!! 明日は、さっそく第一試合である。場所は東京タワー…そこの墓場に埋まるのは……??    
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!