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あれから、有島は「また会おう」と言い私の前姿を消した。
その後私は帰宅し、鞄をソファーに投げるように置き、黒い封筒を開けて刃物を取り出した。
黒い刃を持ったそれは、私を誘惑しているような気がした。
その時、私の脳が何者かに掴まれた感じがした。これは…今までにない感触だった。
そして、男の声が脳に直接伝わる……!!
(オマエガ…私ノ使い手カ…?私ハ…私ハ……)
ふと気付くと、私はそのナイフで家の中に置いてある果実を切り刻んでいた。
いったい…いつの間にこんなことを……手は大量の果汁で濡れている…
その時私は良からぬことを考えた。もし、これがデスゲームだったら、私は果実ではなく、自分と同じ人間を切り刻んでいたのか。
そして、これ果汁ではなく……
うあぁあああっ!!!
思わず叫びだす。やはり…私には人を殺せないのか……??
いや…私は決めたはずだろう。薫と再会し…そして……
その野望を果たすまで、私は…信念を曲げるものか……!!
明日は、さっそく第一試合である。場所は東京タワー…そこの墓場に埋まるのは……??
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