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 手先すら見えないほどの闇に抱かれた夜の中、化け物たちは存在していた。夜闇を切り取ったような黒い髪、黒いローブ、光の射さない真っ暗な瞳。そして、黒い翼を背に生やし、血を吸って緋色に輝く大きな鎌を抱え込むようにして持っている。  化け物は、人間たちから「死神」と呼ばれていた。 「――……それで、だ。拾漆号」 「――はい」  青年の死神に呼ばれた拾漆号という死神は、まだ若く、人間年齢に換算すると少女と呼ばれる年頃だった。
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