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それは甘美な言葉。
その一言で義経は命令通りに動かなければ、と思う。
力にならなければ。
だが同時に何とか良い策はないかと考えを巡らせずにはいられなかった。
考え込んだまま部屋の外に出ると、いつものように義高と大姫が遊んでいた。
「…あの微笑ましい光景もじきに見られなくなるのだな。」
「そうですね…。」
「子に罪はないと言うが、兄上はお許しにはならないだろう…。」
「えぇ…。」
気のない返事ばかりする義経に、範頼は苦笑した。
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