神の声

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我々が見たことのない世界… 魔王の統治する世界… そんな世界にも魔王を倒して、良い世界にしようとする者々は現れる。 いろいろな町や城から選ばれた戦士達が旅立って行く。 そんな中、神に選ばれた一人の戦士がいた。 その男は、そんな事も知らず大きないびきをかいてベッドで寝ている。 「起きるのじゃ…」 「起きるのじゃ…アープ…」 神様は寝ているアープの部屋に神々しい光を放ちながら、ゆっくりと降り立つ。 「アープよ…起きるのじゃ…」 アープと呼ばれた青年は、左に寝返りをうち寝言を一言。 「んん…うるさい…」 神様の表情が「ミシッ!」という音とともに怒りの表情に変わる。 「ええ加減、起きんかい!」 アープの肩を掴みユサユサと揺する。 アープは右腕で神様の腕を振り払う。 「この…このクソガキャァ~!!」 神様はアープの体に馬乗りになる。 アープの頬を往復ビンタする。 「痛い!痛い!何??」 目を覚ましたアープ。 目の前に髭の生えたお爺さんがいる。 「このクソ爺ぃぃぃ!」 髭を掴み、お腹を思い切り殴る。 神様はベッドから落ち、ゴロゴロと転がって狭い部屋の壁にぶつかる。 神々しい光も少し暗くなる。 頭を打ったのだろう、頭を押さえながら立ち上がり喋りだす。 「アープよ!ワシは神じゃ!」 ベッドに座り神様を睨み言う。 「あん?」 「お前に伝えなければならない事があって現れたのじゃ!」 「新手の強盗か?」 神様は額を掻きながら、イライラしながら言う。 「お前は、産まれた時に選ばれ世界最強の力を得た。魔王の力が全世界に及ぶ前に、魔王を倒さなければならない!」 「世界最強の力を持って生まれて来たのなら、軽く魔王を倒せるわけだ。」 「そういう意味ではないんじゃが…」 「わかった、わかった!やるから今日の所はゆっくり眠らせてくれ。」 そう言ってゴソゴソとベッドに潜り込む。
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