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『ありがとう』
私の言葉の後に、極上の笑顔で微笑み掛けてくれた貴方。
あんまり綺麗だったから、しばらく見惚れてしまっていた。
『触れても、いいか?』
不意に貴方の親指が、私の唇に触れた。
ためらいながらも、同意するために頷きながら応えた。
私「う、うん…」
緊張で裏返った声に、自分でも恥ずかしくなる。
『今、赤い顔になってる?』
近付いてくる顔と声。
見えていないはずなのに、貴方は私の状況を的確に当てていた。
私「どうし、て……」
それ以上を言葉にする前に、唇が重なった。
初めて重なった時よりも、深くて甘い吐息が混じる。
二人分の熱が重なる度に胸の鼓動が激しく波打つ。
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