四章

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ポコポコピャー    ポコポコピャー ポコポガチャンッ!! 「くぁ~!!よく寝た。」 怪奇な声を出す目覚まし時計を止め、欠伸をしながら起き上がるとカーテンの隙間から光が差し込んでいた なんだか今日の布団は温かかったなぁ… 名残惜しさを感じながらも布団から出てベッドを降り、洗面所へと向かった 顔を洗ってキッチンに行くと冷蔵庫を開けた 「ん~。鮭と味噌汁でいいか。」 作る朝食を決めて冷蔵庫から食材を取り出し料理開始 1人暮らしをしていた時に料理を毎日のようにしてたから作るのに慣れたんだよなー 作り方は本を見たりパソコンで調べたりして覚えた 最初の頃はキュウリ1本切るだけで5回は指切ってたし、たった1本切るのに30分はかかってた つまり、夜の9時を過ぎないと夕ご飯が出来ないってぐらい不器用ちゃんだったんだよねー; いや~、それを考えたら今の自分に拍手を贈ってあげたいぐらいだよ 素早く料理を作り終え、テーブルに並べながら小さく拍手をしてみた ……ちょっとイタイかったかも…← 俺はそのまま手を合わせて食べ始めた 昨日の昼食と夕食が騒がしかったからだろうか少し違和感を感じてしまう 俺の周りの空気が冷めてるような… そんな感じの違和感 ハァ… ご飯を食べながら不味いわけでもなく溜め息を吐いた 箸を置き、考えて込みながら椅子の背もたれに寄りかかる …寂しいな その寂しさは俺に恐怖を感じさせる 今までだって1人だった これからだって… そう、これからだって大丈夫 俺はずっと1人なのだから ご飯を食べ終えると俺は無意識にカッターに手を伸ばしていた ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 支度をし終えると部屋を出た さっきのは少しシリアスだったなぁ…とか思いながら。← 起きた時はあんなに温かかった体が今はもう冷たくなっていた .
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