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辛い思い…?
遥は俺の思いに気づいてたのか?
慌てて2枚目をめくる。
『結婚してからあなたはきっと他の女性と関係を持つ暇もなかった。
きっとずっと、色々な欲望を抱えて苦しかったよね。
だから、昨日の事は…全て私のせいです。
本当に、色々な無理をさせて、ごめんなさい。
でも…あなたが希美を実の娘のように愛して育ててくれた事。
私は忘れません。
こんなに良くしてもらったのに…いつも優しいあなたに甘えてきたのに…。
私の勝手を許して下さい。
…あなたの本当の幸せを、心から願ってます。
ありがとう、遊真。
さようなら。
遥より。』
読み終わったと同時に、手が震えた。
知らず知らずに流れていた涙が手紙を濡らし、前が見えない。
昨日の事が遥のせいなわけがない。
俺はいつも優しかったわけじゃない。
ただ、遥を大事にしたかっただけだ。
遥に笑っていて欲しかっただけだった。
なのに…昨日あんな事をした俺を、遥は許すっていうのか?
自分のせいだというのか?
なんで…なんで君は…。
「っ…ふ…うぅ…」
手紙を握り締めて。
額に当てる。
…そんなわけないのに、遥の香りがした気がした。
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