重さの話:Ⅲ

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二人はゆっくりと歩き出しました。 『そしてある日、ワタクシ達は奇襲にあいました。 至近距離から飛んで来たロケット弾を避けることが出来ずワタクシは身を呈して彼を守りました。 ワタクシの左腕は木っ葉みじんに吹っ飛びました。 ワタクシは彼の無事を確認しようと彼の方をみました。 彼の腹部はえぐれていました。』 二人の横を小学校に通う子どもたちが通りすぎました。 今日から新学期です。 『ワタクシは彼を戦線離脱ポットヘと運びました。 しかし彼は生命維持装置をつけようとするワタクシの手をどけてワタクシにこういったのです。』 《いかなるものがいなくなってしまっても地球の重さは変わってしまう。 だからお前は死ぬな。 そして誰も殺すな。》 『それだけ言うと彼は私を戦線離脱ポットに押し込め、自分は外にでて発射のボタンを押しました。 ワタクシは気が付いたらご主人の家のリビングに腰かけていたのです。』
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