・ルサリス学院

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国王陛下の名の元と言うことは、国においてヒムカの存在は重要な位置にあると解釈されてもおかしくない。 国王と将軍達はヒムカの存在をそこまでして守ろうとするのはヒムカに特別な何かがあると言う事だ。キルシュは尊敬するシリウスと、国王のヒムカへの特別扱いに嫉妬しヒムカを睨み付けた。 「なんで…こんな後からしゃしゃり出てきた奴が…僕は納得できない!こんな薄汚い庶民が福音子だと認めないぞ!」 「…別に君が認める必要はないんじゃないかなキルシュ。」 くすりとオズワルドは笑いながらティーカップを手にとりながら、ヒムカに嫉妬するキルシュを鼻で笑う。 「…何が言いたい。オズワルド」 「何、純粋たる疑念だよ。キルシュ。既に国王や将軍達が決めた事を何故、君が不満を持つのか、それを何故、将軍の居る前で納得できないなどと言えるのか…さっぱりわからないね。君はいつから国王や将軍の決定に意見できるようになったんだい?」 「なっ…!」 「…事実だろ?僕らは福音子といっても地位や職についていない子供だ。国王に意見できる将軍ですらない。そんな君がヒムカに対しての決定権は無いのだよ。王妃の甥だからって、身をわきまえたらどうだい。男の嫉妬程見苦しいものはないよ」 「っ……!」 「オズ、言い過ぎだぞ」 ヒムカはあきれた様子でオズワルドを見れば、彼は肩を竦めて、やれやれと言った表情を見せる 「いや、先程からあまりにも聞くに耐えなくて。福音子は貴賤問わず選ばれると言うのに、何を勘違いしているのか身分を振りかざした物言いが鼻についたんだよ。」 冷笑するオズワルドに顔を真っ赤にそめるキルシュはわなわなと身体を震わせる。 二人の間でヒムカは居づらそうに頬をかく。もしかしたら、この中で一番怖いのはオズワルドかもしれない。 「ま、今のはキルシュ君が悪いからフォロー出来ないなぁ。」 「…そうですね。」 うんうんと頷くテトとフィンシアの追い討ちに、流石のキルシュもそれ以上何も言えず、押し黙った。
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