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彼女の名前は佐伯由深子
十六歳の高校一年生
今まで平凡に暮らしていた由深子だったが
ある日突然平凡な日々に終わりがやって来た
その日も朝起きてリビングに行き
いつもとかわらないはずだった
父親が起きてくる間では
父は起きてくるなり何か紙をテーブルに置き
朝ご飯も食べずに出勤していった
不思議に思い由深子は母に聞いた
【この紙なに?お父さんどうしたの?】
そしたら母は
[お母さんとお父さん離婚するのよ]と告げる
由深子はただ呆然とするしかなかった
今まで自分がみてきた
十六年はなんだったのかと
時間も忘れ呆然としていると母に[学校に行かなくていいの]と言われる
時計をみると行かなくてはならない時間だったので
朝食を残し【行ってきます】と学校に向かった
途中親友の唯にあい話しながら教室に向かった
その時一人の男とぶつかった
【スイマセン。大丈夫ですか】と聞くと
《君こそ大丈夫》ときかれた
これが彼との出合いだった
そのあと教室に入り
彼が教育実習の先生だとわかり、名前を上田智暁と言う
上田先生は女子生徒から〔彼女はいるんですか?〕など質問攻めに会う始末で、
だけど上田先生は生徒の質問に一つ一つ答えて言った
《彼女はいません。タイプは自分を持っていて、思いやりのあるこかな》などときちんと答えた
何人かの生徒は落ち込みまた何人かの生徒は舞い上がっていた
だが由深子だけは上田先生を見ていなかった
そうこのころの由深子は上田先生には興味がなかったのだ
他の生徒と先生が話してるうちにチャイムがなった
一時間目は英語の授業なので上田先生は教室を出て行った
その時生徒の何人かが〔行かないで~〕などと言っていたが
英語の先生がはいってくるなり教室は静まり返った
英語の先生は怖い事で有名なのだ
女の先生で皆からは久美先生と言われ慕われている
いつも久美先生の英語の挨拶で始まるのに今日はその挨拶がいっこうに始まらない
しびれを切らした由深子が【先生どうかしましたか?】
と聞くと久美先生は何事もなかったように
{Good morning everyone}
(Good morming teacher)
授業は何もなかったかのように進み
チャイムがなる
久美先生はきたときとおなじように上の空で帰って行った
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